麗雪神話~青銀の王国~
「ところで、一緒に客殿までいかない? 私、ちょっと用があって」
予想外の申し出に、セレイアはたじろいだ。
たった今セレイアが考えていたことを、まるで読まれていたかのようだったからだ。
シルフェが客殿に、なんの用だろう。
けれどシルフェが一緒なら客殿に乗り込みやすいのも事実だった。シルフェにとっても、同じだったから、誘いに来たと言うところだろう。
「わかったわ。一緒に行きましょう」
二人は他愛ないおしゃべりをしながら、堂々と客殿へ向かった。
客殿に足を踏み入れる前に、監視の騎士たちが二人の前に立ちはだかった。
「恐れ入りますが、これ以上先にお通しすることはできません」
セレイアはやはり一筋縄ではいかないかと苦く思って唇を引き結ぶ。
しかし隣のシルフェは平然として、笑顔すら浮かべて言ってのけた。
「あら、なぜ? 私たちは次代の女王候補。今客殿にはトリステアの要人の方々が滞在中なのでしょう? 未来のために、面識を創っておくのは次代の女王として当然のことだわ。それとも、私たちでは未来の女王として不足だと、そうおっしゃっているの?」
「ぐ…それは」
「大丈夫。上司の方々には報告しなくてけっこうよ。すぐ戻りますから。ね? セレイア」
セレイアはそれにただ頷くだけで、客殿に入ることができてしまった。
普段おっとりとしたシルフェの押しの強さに、セレイアは感心しきりだった。
予想外の申し出に、セレイアはたじろいだ。
たった今セレイアが考えていたことを、まるで読まれていたかのようだったからだ。
シルフェが客殿に、なんの用だろう。
けれどシルフェが一緒なら客殿に乗り込みやすいのも事実だった。シルフェにとっても、同じだったから、誘いに来たと言うところだろう。
「わかったわ。一緒に行きましょう」
二人は他愛ないおしゃべりをしながら、堂々と客殿へ向かった。
客殿に足を踏み入れる前に、監視の騎士たちが二人の前に立ちはだかった。
「恐れ入りますが、これ以上先にお通しすることはできません」
セレイアはやはり一筋縄ではいかないかと苦く思って唇を引き結ぶ。
しかし隣のシルフェは平然として、笑顔すら浮かべて言ってのけた。
「あら、なぜ? 私たちは次代の女王候補。今客殿にはトリステアの要人の方々が滞在中なのでしょう? 未来のために、面識を創っておくのは次代の女王として当然のことだわ。それとも、私たちでは未来の女王として不足だと、そうおっしゃっているの?」
「ぐ…それは」
「大丈夫。上司の方々には報告しなくてけっこうよ。すぐ戻りますから。ね? セレイア」
セレイアはそれにただ頷くだけで、客殿に入ることができてしまった。
普段おっとりとしたシルフェの押しの強さに、セレイアは感心しきりだった。