麗雪神話~青銀の王国~
セレイアはため息をつきながら、無意識に空中庭園へと向かう。
そこに彼が来てくれるかもしれないからだ。見たら胸が痛いのに、それでも気が付くと視線は彼をさがしている。
空中庭園の中、美しい大振りで真っ赤な花の前に、ディセルがいるのをみつけた。
(ディセル)
今日こそはお守りを渡して、謝ろう。
そう思った時、ディセルの影で見えなかった、彼の同伴者をみつけてしまった。
シルフェだ。
シルフェが満面の笑みでディセルに何か語りかけ、ディセルもそれに微笑んで答えている。
親密そうに見えた。
セレイアはそれだけで、もうだめだった。
それ以上見ていられなくて、ディセルがこちらに気付く前に、足早に逃げ出してしまった。
(私、どうしちゃったのかな)
わからなくて、泣きたくなってくる。
必ず助け出すと言ってくれたディセルと、シルフェと一緒にいる今のディセルを、同一人物と思えない自分がいる。
「なんだか顔色が冴えないな、セレイア」
不意に話しかけられ、セレイアは驚いて顔を上げた。
思わず周囲を確認する。
与えられた部屋の中だ。
つまり、……
自室に堂々とセレスが入ってきていることを理解して、セレイアは眉をつりあげる。
「ちょっとセレス。女の子の部屋に勝手に入ってこないで」
そこに彼が来てくれるかもしれないからだ。見たら胸が痛いのに、それでも気が付くと視線は彼をさがしている。
空中庭園の中、美しい大振りで真っ赤な花の前に、ディセルがいるのをみつけた。
(ディセル)
今日こそはお守りを渡して、謝ろう。
そう思った時、ディセルの影で見えなかった、彼の同伴者をみつけてしまった。
シルフェだ。
シルフェが満面の笑みでディセルに何か語りかけ、ディセルもそれに微笑んで答えている。
親密そうに見えた。
セレイアはそれだけで、もうだめだった。
それ以上見ていられなくて、ディセルがこちらに気付く前に、足早に逃げ出してしまった。
(私、どうしちゃったのかな)
わからなくて、泣きたくなってくる。
必ず助け出すと言ってくれたディセルと、シルフェと一緒にいる今のディセルを、同一人物と思えない自分がいる。
「なんだか顔色が冴えないな、セレイア」
不意に話しかけられ、セレイアは驚いて顔を上げた。
思わず周囲を確認する。
与えられた部屋の中だ。
つまり、……
自室に堂々とセレスが入ってきていることを理解して、セレイアは眉をつりあげる。
「ちょっとセレス。女の子の部屋に勝手に入ってこないで」