麗雪神話~青銀の王国~
その数日後、セレイアたちはシルフェも連れて、クイーンズパレスを離れることになった。
見納めになるからと、皆で空中庭園に足を踏み入れる。
穏やかな風が、色とりどりの花々を優しく揺らしている。
この国では、いろいろなことがあった。
辛い苦しい思い出も多いけれど、セレイアは思う。
この美しい国が好きだと。
「セレイア!!」
派手な足音を立てて駆け寄ってきたのは、レティシアだった。
「もう出発するって、本当なの?」
息を切らし、ドレスの裾を乱して、一生懸命セレイアを探してくれたのだろう。
その気持ちが、とても嬉しかった。
「はい、未来の女王様」
そう言うと、レティシアはくすぐったそうな表情をした。
そして何を思ったか、突然セレイアに、力いっぱい抱きついてきた。
「レティシア様?」
「どこにいても……わたくしたち、友達ですわよね」
耳元で小さくつぶやかれる、不安そうな言葉。
セレイアは彼女を抱き返しながら、力強く言ってあげた。
「ええ、もちろん! また、会いに来ます」
体を離すと、レティシアの目の端に、光るものがあった。
気丈な彼女が別れを惜しんで泣いてくれることが、どんなに嬉しいだろう。
「絶対ですわよ!」
泣き顔を見られたくないのか、レティシアは顔を押し付けるようにしてぎゅうぎゅうと抱きついてくる。
…かわいい。
見納めになるからと、皆で空中庭園に足を踏み入れる。
穏やかな風が、色とりどりの花々を優しく揺らしている。
この国では、いろいろなことがあった。
辛い苦しい思い出も多いけれど、セレイアは思う。
この美しい国が好きだと。
「セレイア!!」
派手な足音を立てて駆け寄ってきたのは、レティシアだった。
「もう出発するって、本当なの?」
息を切らし、ドレスの裾を乱して、一生懸命セレイアを探してくれたのだろう。
その気持ちが、とても嬉しかった。
「はい、未来の女王様」
そう言うと、レティシアはくすぐったそうな表情をした。
そして何を思ったか、突然セレイアに、力いっぱい抱きついてきた。
「レティシア様?」
「どこにいても……わたくしたち、友達ですわよね」
耳元で小さくつぶやかれる、不安そうな言葉。
セレイアは彼女を抱き返しながら、力強く言ってあげた。
「ええ、もちろん! また、会いに来ます」
体を離すと、レティシアの目の端に、光るものがあった。
気丈な彼女が別れを惜しんで泣いてくれることが、どんなに嬉しいだろう。
「絶対ですわよ!」
泣き顔を見られたくないのか、レティシアは顔を押し付けるようにしてぎゅうぎゅうと抱きついてくる。
…かわいい。