麗雪神話~青銀の王国~
「あ、あの、こんにちは」

セレイアは驚かせないようにと、控えめの音量でプミールに話しかけてみた。

プミールは視線をセレイアに据えたまま、動かない。

―ふわふわと青銀の毛並が風に揺れる様が、たまらない!

セレイアは少し、近づいてみることにした。

「どこから来たの? 本当にきれいね」

近づいても、プミールは逃げるでもなく、ひたすらセレイアを見つめ続けていた。

間近で見ると普通のプミールより一回り大きい、という印象だった。

「あの…少し触っても、いいかな?」

プミールが拒絶するそぶりを見せないので、少しだけ…と自分に言い訳をして、手を伸ばした。

ふわふわの毛は案の定極上の手触りで、ちょっと手を乗せただけで自分の手が見えなくなるほど埋没する。そして、なんといってもあたたかい。

(か、かわいい~~~~~っ)

セレイアは一人悶絶した。
< 20 / 172 >

この作品をシェア

pagetop