麗雪神話~青銀の王国~
セレイアが決意を秘めて少女たちに近づいていくと、皆がセレイアの方を向いた。

少女たちは皆美しかったが、一際目を引く美少女が二人いた。

一人は目を疑いたくなるほどの、どこか神がかった美貌の少女。透き通るようなエメラルドグリーンの、珍しい髪と瞳をしている。年の頃はセレイアと同じくらいだろう。

彼女は人懐こく明るい笑顔を浮かべて、セレイアに話しかけてきた。

「こんにちは!」

声も涼やかで、なんと美しいのだろう。

そんなふうに微笑みかけられたら、女性の自分でもぽうっとなってしまいそうだ。

「…こんにちは。あの、あなたもラピストリとかなんとか言われて、連れ去られてきたの?」

セレイアがおずおずと尋ねると、彼女は頷いた。

「ええ。あなたも? 私、目的があって旅をしていたものだから、ちょっと困ったわ」

そう答えて微笑む彼女は、全然困っているようには見えない。

「私はシルフェよ。あなたは?」

「私はセレイア。任せて、私、必ずあなたたち全員を助け出してあげるから!」

意気込むセレイアに、シルフィは少し不思議そうな顔をする。

「助ける? って言っても――」
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