麗雪神話~青銀の王国~
「王女殿下も人さらいにさらわれてきたっていうこと…?」
「人さらい?」
その時視線に気付いた王女殿下が、セレイアの方を向いた。
「まあ、じろじろとわたくしを見て。何か言いたいことでもありますの?」
まだ幼さの残る声は、その顔立ちにぴったりでとてもかわいらしい。
セレイアをじっくりと眺めはじめた王女殿下は、何かに気付いたようにはっと息をのんだ。
そして突然、険のある声でこう言った。
「あなたのような、どこの馬の骨ともわからぬ娘が、ラピストリになど、100年早いですわ」
それからつん、と顔をそむけてしまう。
―ラピストリ。
またあの単語だ。
「あのぅ…それで、ラピストリって一体何なんですか…?」
セレイアの問いに、少女たちが口々に答えようとした時。
広間の入り口に、颯爽と現れた人影があった。
入り口に背を向けていたセレイアは気が付かなかったが、目の前のレティシア王女殿下の表情で、誰か来たことがわかった。
それも、つんと澄ました彼女が思わずあどけない笑みを浮かべる程の信頼のおける誰かが。
「…伯父上!」
(伯父上?)
「人さらい?」
その時視線に気付いた王女殿下が、セレイアの方を向いた。
「まあ、じろじろとわたくしを見て。何か言いたいことでもありますの?」
まだ幼さの残る声は、その顔立ちにぴったりでとてもかわいらしい。
セレイアをじっくりと眺めはじめた王女殿下は、何かに気付いたようにはっと息をのんだ。
そして突然、険のある声でこう言った。
「あなたのような、どこの馬の骨ともわからぬ娘が、ラピストリになど、100年早いですわ」
それからつん、と顔をそむけてしまう。
―ラピストリ。
またあの単語だ。
「あのぅ…それで、ラピストリって一体何なんですか…?」
セレイアの問いに、少女たちが口々に答えようとした時。
広間の入り口に、颯爽と現れた人影があった。
入り口に背を向けていたセレイアは気が付かなかったが、目の前のレティシア王女殿下の表情で、誰か来たことがわかった。
それも、つんと澄ました彼女が思わずあどけない笑みを浮かべる程の信頼のおける誰かが。
「…伯父上!」
(伯父上?)