麗雪神話~青銀の王国~
「呆れましたわ。あなた、そんなことも知らずにここに来ていたんですの?
いいこと。
“聖女〈ラピストリ〉”とは即ち、神聖なるサティエイトの、空の神の加護を一番に受けし娘の証。次期女王のことですわ。ここに集められたのは、青幻獣に選ばれた者のみ」
―次期女王のことですわ。
レティシアの言葉がずんと頭に響き渡る。
セレイアは呆然とするしかなかった。
「な…んですって…次期女王…?
その試練とやらを受けて受かっちゃったら、私、次期女王になっちゃうかも知れないっていうこと!?」
「そういうことだ」
「伯父上」が頷く。
「あなたなど、選ばれるはずがありませんから、安心していてよくてよ」
レティシアがつんと澄まして言ったが、セレイアの耳には届いていなかった。
(もしもこのまま次期女王になんてされたら…!!)
ディセルに二度と会えなくなってしまうかも知れない。
(ディセル、どうしよう…!!)
王族が深く関わっているこの状況、どうやって逃げ出せばいいのか見当もつかない。
セレイアは青を通り越して白い顔色で、しばし呆然とたたずむしかなかったのだった。
いいこと。
“聖女〈ラピストリ〉”とは即ち、神聖なるサティエイトの、空の神の加護を一番に受けし娘の証。次期女王のことですわ。ここに集められたのは、青幻獣に選ばれた者のみ」
―次期女王のことですわ。
レティシアの言葉がずんと頭に響き渡る。
セレイアは呆然とするしかなかった。
「な…んですって…次期女王…?
その試練とやらを受けて受かっちゃったら、私、次期女王になっちゃうかも知れないっていうこと!?」
「そういうことだ」
「伯父上」が頷く。
「あなたなど、選ばれるはずがありませんから、安心していてよくてよ」
レティシアがつんと澄まして言ったが、セレイアの耳には届いていなかった。
(もしもこのまま次期女王になんてされたら…!!)
ディセルに二度と会えなくなってしまうかも知れない。
(ディセル、どうしよう…!!)
王族が深く関わっているこの状況、どうやって逃げ出せばいいのか見当もつかない。
セレイアは青を通り越して白い顔色で、しばし呆然とたたずむしかなかったのだった。