麗雪神話~青銀の王国~
3
「俺、もう一度街を捜してくる!」
そう言って部屋から飛び出そうとするディセルを、サラマスは呼びとめた。
「おい、スノーティアス、お前少しは休めって。昨夜だって一睡もせずに一晩中お嬢ちゃんを捜していたんだろう? 俺がかわりに捜してくるから」
「…でもっ!!」
ディセルの目の下にはくまがあり、顔色は紙のように白い。
―セレイアが行方不明。
その事実が、それだけディセルにはこたえているということなのだろう。
ディセルはベッドにどさりと座り込むと、片手で顔を覆った。
「こんなことなら…一人で夜に散歩なんて、させるんじゃなかった…」
息も絶え絶えにそうつぶやくディセルに、サラマスは苦笑する。
神であるディセルが、そんなふうに取り乱すほど、あの人間の少女を好いているのだということが、意外であり、眩しいような気がしたのだ。
「もし、セレイアに何かあったら、俺は、俺は……っ!」
「―まあ悪い方にばかり考えるなよ。そのうちひょっこり帰ってくるかも知れないじゃないか。俺が聞き込みもしてくるから、少し眠れ。いいな? お前まで倒れたら、どうするんだ」
「………」
ディセルは不服そうに黙り込む。
そう言って部屋から飛び出そうとするディセルを、サラマスは呼びとめた。
「おい、スノーティアス、お前少しは休めって。昨夜だって一睡もせずに一晩中お嬢ちゃんを捜していたんだろう? 俺がかわりに捜してくるから」
「…でもっ!!」
ディセルの目の下にはくまがあり、顔色は紙のように白い。
―セレイアが行方不明。
その事実が、それだけディセルにはこたえているということなのだろう。
ディセルはベッドにどさりと座り込むと、片手で顔を覆った。
「こんなことなら…一人で夜に散歩なんて、させるんじゃなかった…」
息も絶え絶えにそうつぶやくディセルに、サラマスは苦笑する。
神であるディセルが、そんなふうに取り乱すほど、あの人間の少女を好いているのだということが、意外であり、眩しいような気がしたのだ。
「もし、セレイアに何かあったら、俺は、俺は……っ!」
「―まあ悪い方にばかり考えるなよ。そのうちひょっこり帰ってくるかも知れないじゃないか。俺が聞き込みもしてくるから、少し眠れ。いいな? お前まで倒れたら、どうするんだ」
「………」
ディセルは不服そうに黙り込む。