麗雪神話~青銀の王国~
「これよりその聖なる資質を判断するため、あなたにはこのふたつの石のどちらかを、選んでもらいます。見た目は似たような石ですが、まとう気が違います。聖なる石と邪悪な石なのです。さあ、その目で、聖なる石を見極めてごらんなさい」

「…………」

セレイアは険しい表情でふたつの石をにらんだ。

(つまり、よ。
私は邪悪な石の方を選べばいいってことよね?
…って言っても、どっちもただの石にしか見えないんだけど…)

しばし石をみつめていても、いっこうにどちらがどちらの石なのかなど、わかりそうもない。

確率は二分の一だ。

えいままよと、セレイアは手近にあった石へと手を伸ばした。

(お願い、外れて!)

…しかし。

予想だにしない出来事が起こった。

ばちっと電撃なようなものに弾かれて、セレイアはその石を持つことができなかったのだ。

「痛…な、なに?」

もう一度挑戦しても、同じだった。

(この石…痛くて持てない…どういうこと…?)
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