麗雪神話~青銀の王国~
セレイアの頭は混乱を極めた。

この石はどちらなのだろうか。

聖なる石なのか、邪悪な石なのか?

しかし持てないものは仕方なかった。セレイアは諦めて、もう一つの方の石に手を伸ばした。

今度は難なくその石を持つことができてしまった。

(どういうことなの…?)

祈るような気持ちで、見守っていた試験官たちに視線をやると、皆少なからず驚いたような表情をしていた。

「あなたが最初に選んだのは、邪悪な石です。しかし、それを持つことができなかった…それほどにあなたは、聖なる気を持ち合わせているということ」

(えっ!!)

にっこりと、皆が微笑んだ。

「おめでとう、第一試練、合格ですよ、セレイア」

セレイアは愕然とした。

(ええ――――っ!!)

どうしてこんなことになってしまうのだろう。

何かを恨みたくても、何を恨んでいいかわからなかった。
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