麗雪神話~青銀の王国~
第三の試練の日がやってきた。

広大な中庭の一角に、候補者五名が集められる。

候補者たちを囲むようにして、聖職者や騎士たちの姿があった。

(今日こそは落選してみせる…)

セレイアの気合は十分だ。

「本日は、次代の青幻獣との、相性を見させていただきます。具体的には、この花を、青幻獣に食べさせてあげていただきます。
青幻獣は聖なる気をまとう特別な人間からしか、食べ物をもらうことをしません。
青幻獣が心許した、聖なる気をまとう者を、最終試練へのぞむ資格ありとみなします」

候補者五名に、大輪の花束が手渡された。

誰から、どのように、どの順番で、青幻獣が花を食べるのか。

それを皆が固唾を呑んで見守るのだ。

(青幻獣が関わる試練は、苦手だわ。なぜか気に入られてしまっているし…こうなったら、確実に落選するために、ちょっと小細工するわよ)

セレイアはそうと悟られないように、花をひとつひとつ握り締めてつぶしていった。

つぶれた花を、プミラはあまり好きではなかった。

それを思い出したのだ。
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