麗雪神話~青銀の王国~
緊張感漂う中庭に、女王フィーヴル自らの手で、次代の青幻獣が連れてこられた。
候補者たちの前で、そっと手綱がはなされる。
青幻獣はまっすぐな瞳で、候補者五名をみつめた。
セレイアはそのまっすぐさに打たれて、自分の小細工が申し訳なくなる。
けれど、受かるわけにはいかないのだから、どうか許してほしいと、心の中で謝罪した。
候補者たちが花束を差し出すと、青幻獣がゆっくりと動いた。
青幻獣は二人の候補者を通り過ぎ、レティシアの前で止まった。
そして、彼女の手から、花をむしゃむしゃと食べた。
おおっ、と周囲から歓声が上がる。レティシアも嬉しそうに頬をゆるめていた。
(よし! まずは一人!)
セレイアはつぶれた花に気付かれないよう、そしてなるべく青幻獣に注目されないよう、少し控えめに花を差し出していた。
「おめでとうございます、殿下。……あら」
続いてシルフェの手から、青幻獣が花を食べる。
再び周囲がざわめいた。
なんとなく、シルフェは選ばれるような気がしていたから、セレイアは別段驚かなかった。
(これで二人。あとは私が選ばれなければいいだけ…!)
候補者たちの前で、そっと手綱がはなされる。
青幻獣はまっすぐな瞳で、候補者五名をみつめた。
セレイアはそのまっすぐさに打たれて、自分の小細工が申し訳なくなる。
けれど、受かるわけにはいかないのだから、どうか許してほしいと、心の中で謝罪した。
候補者たちが花束を差し出すと、青幻獣がゆっくりと動いた。
青幻獣は二人の候補者を通り過ぎ、レティシアの前で止まった。
そして、彼女の手から、花をむしゃむしゃと食べた。
おおっ、と周囲から歓声が上がる。レティシアも嬉しそうに頬をゆるめていた。
(よし! まずは一人!)
セレイアはつぶれた花に気付かれないよう、そしてなるべく青幻獣に注目されないよう、少し控えめに花を差し出していた。
「おめでとうございます、殿下。……あら」
続いてシルフェの手から、青幻獣が花を食べる。
再び周囲がざわめいた。
なんとなく、シルフェは選ばれるような気がしていたから、セレイアは別段驚かなかった。
(これで二人。あとは私が選ばれなければいいだけ…!)