麗雪神話~青銀の王国~
「女王陛下。
折り入ってお願いがございます」
サラマスが改まった声を出し、跪く。
「わたくしめはこのクイーンズパレスの見事さに、感激してしまいました。
もしよろしければ、城内を少し騎士の方たちに案内していただけませんでしょうか? この美しい城を、もう少し味わいたいのです」
機嫌のよい女王は、「けっこう」と頷いてくれた。
(サラマス、やるじゃないか)
これでさりげなく、セレイアの居場所に見当をつけることもできる。
「では、騎士団長セレスシャル、客人を案内してやってくれ」
「御意。ではゆこうか、ディセル殿、サラマス殿」
セレスシャルという空色の髪の美しい男性に連れられ、二人はパレス内を歩き出した。
訓練棟、サロン、青プミール発着場…と順番に、彼は二人を案内してくれた。
二人はパレスの立派さに心打たれているふりをしながら、何かセレイアの居場所に関わる情報はないかとあちこちに目を走らせる。
セレスの案内は巧みだった。よどみなく城の美点を語りながらも、防衛に関わる大切な情報は少しも漏らさない。
「次は我が城の誇る美しい中庭をご紹介しよう」
花が咲き乱れる中庭へと足を踏み入れたディセルは、一瞬呼吸を止めた。
遠くの方に見えるベンチに、見間違えようもない、長い金髪をふたつに結い上げた愛しい少女の姿があったのだ。
(セレイア…!!)
折り入ってお願いがございます」
サラマスが改まった声を出し、跪く。
「わたくしめはこのクイーンズパレスの見事さに、感激してしまいました。
もしよろしければ、城内を少し騎士の方たちに案内していただけませんでしょうか? この美しい城を、もう少し味わいたいのです」
機嫌のよい女王は、「けっこう」と頷いてくれた。
(サラマス、やるじゃないか)
これでさりげなく、セレイアの居場所に見当をつけることもできる。
「では、騎士団長セレスシャル、客人を案内してやってくれ」
「御意。ではゆこうか、ディセル殿、サラマス殿」
セレスシャルという空色の髪の美しい男性に連れられ、二人はパレス内を歩き出した。
訓練棟、サロン、青プミール発着場…と順番に、彼は二人を案内してくれた。
二人はパレスの立派さに心打たれているふりをしながら、何かセレイアの居場所に関わる情報はないかとあちこちに目を走らせる。
セレスの案内は巧みだった。よどみなく城の美点を語りながらも、防衛に関わる大切な情報は少しも漏らさない。
「次は我が城の誇る美しい中庭をご紹介しよう」
花が咲き乱れる中庭へと足を踏み入れたディセルは、一瞬呼吸を止めた。
遠くの方に見えるベンチに、見間違えようもない、長い金髪をふたつに結い上げた愛しい少女の姿があったのだ。
(セレイア…!!)