麗雪神話~青銀の王国~
3
セレイアの予想通り、城の警備は厳重になった。
セレイアは部屋を移され、今度は窓のない部屋となった。監視の騎士の数も5人から10人に増えた。夜中でも、不寝番の侍女が寝室の外に控えている状態だ。完全に、逃げ出すことを警戒されてしまったらしい。
(これじゃ囚人だわ。何が聖なるラピストリ候補よ)
そう内心毒づいても、状況が変わるわけでもない。
正直、試練が終わるまでにここから逃げ出すことは、絶望的と思えた。
セレイアの気持ちは沈んでいた。
あとほんのちょっとで、ディセルのもとに帰れたのにと思うと、目に涙がにじんでくる。
“空中庭園”と呼ばれる、国の通称ともなった眼下に雲海を見渡す美しい庭で、セレイアはぼんやりとしていた。
「セレイア、頼むからそんな顔をしないでくれ」
隣ではセレスが、らしくもなく焦った様子でセレイアを励まそうとしてくる。
この男にだけは、何を言われても心動くわけがない。
ディセルのもとへ帰るのを、阻んだ男だ。
セレイアは部屋を移され、今度は窓のない部屋となった。監視の騎士の数も5人から10人に増えた。夜中でも、不寝番の侍女が寝室の外に控えている状態だ。完全に、逃げ出すことを警戒されてしまったらしい。
(これじゃ囚人だわ。何が聖なるラピストリ候補よ)
そう内心毒づいても、状況が変わるわけでもない。
正直、試練が終わるまでにここから逃げ出すことは、絶望的と思えた。
セレイアの気持ちは沈んでいた。
あとほんのちょっとで、ディセルのもとに帰れたのにと思うと、目に涙がにじんでくる。
“空中庭園”と呼ばれる、国の通称ともなった眼下に雲海を見渡す美しい庭で、セレイアはぼんやりとしていた。
「セレイア、頼むからそんな顔をしないでくれ」
隣ではセレスが、らしくもなく焦った様子でセレイアを励まそうとしてくる。
この男にだけは、何を言われても心動くわけがない。
ディセルのもとへ帰るのを、阻んだ男だ。