麗雪神話~青銀の王国~
「セレイアなんて、なれなれしく呼ばないで。私はあなたが大っ嫌いなんだから」
「セレイア……」
情けない声を出されると、少し言い過ぎたかと思えてくる。
セレスは職務に忠実だっただけだ。
だからこれは、セレイアの単なるやつあたりだ…。
セレイアはそれ以上何か言うのをやめて、視線を転じた。
少し離れたところには、にこにこと風に吹かれているシルフェの姿がある。風邪はどうやら治ったらしい。さらに離れたところには、青プミールと遊ぶレティシアの姿もあった。
空中庭園はいやになるほど美しかった。
けれどどんな花が咲いていようが、どんなすがすがしい風が流れていようが、セレイアの居場所はここではない。ここではないのだ。
銀髪の美しい人影を思い浮かべた時だった。
不意に、慣れ親しんだ感覚がセレイアを襲った。
視界が紫色にふさがれるような感覚。
これは……
「霧だわ!」
セレイアは跳ね起きた。
しかしすぐに気が付く。
今、ディセルはいない。
霧を実体化できる彼がいなければ、風で流すしか方法がない。
けれどここはゆったりとした風が流れるばかりだ。
「セレイア……」
情けない声を出されると、少し言い過ぎたかと思えてくる。
セレスは職務に忠実だっただけだ。
だからこれは、セレイアの単なるやつあたりだ…。
セレイアはそれ以上何か言うのをやめて、視線を転じた。
少し離れたところには、にこにこと風に吹かれているシルフェの姿がある。風邪はどうやら治ったらしい。さらに離れたところには、青プミールと遊ぶレティシアの姿もあった。
空中庭園はいやになるほど美しかった。
けれどどんな花が咲いていようが、どんなすがすがしい風が流れていようが、セレイアの居場所はここではない。ここではないのだ。
銀髪の美しい人影を思い浮かべた時だった。
不意に、慣れ親しんだ感覚がセレイアを襲った。
視界が紫色にふさがれるような感覚。
これは……
「霧だわ!」
セレイアは跳ね起きた。
しかしすぐに気が付く。
今、ディセルはいない。
霧を実体化できる彼がいなければ、風で流すしか方法がない。
けれどここはゆったりとした風が流れるばかりだ。