愛ニ狂ッタ人









彼は今日も教室で1人作業中。

私の机を熱心に拭いている。

昨日その席に座った誰かの菌を、取っているのね。

本当にキミは、私の理想の彼氏なんだから。

…勿体ないぐらいネ。






拭き終わったらしい彼は、とても満足気だ。

私の机を見て微笑む彼は、本当に素敵。

恋を知らない女が傍にいたのなら、一発で恋に堕ちてしまいそう。

堕ちるのは私以外許さないけどね。

堕ちるのなら…地獄に、してネ?






彼の傍に近寄る者は。

男でも女であっても、許さない。

私の、私だけの彼だから。





彼の視界に入るのは、私だけ。

彼の声を聞くのも、私だけ。

彼の鼻にはいるのも、私だけ。

彼の唇を塞ぐのも、私だけ。

彼の体に触れるのも、私だけ。





私以外、許さないノ…。

許したくないノ…。




だって私をこんな風に変えたのも、

彼だから……。









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