愛ニ狂ッタ人
何故か少し、弱っている彼は、今にも倒れそうなほど青い顔をして、私の手をいつものように引いて、部屋へ戻った。
部屋へ入った途端、彼は倒れてしまった。
私は急いで彼を持ち上げ、ベッドに寝かせた。
彼は規則正しい寝息を繰り返していた。
よく見ると、薄っすら彼の目の下が黒ずんでいた。
私は彼の手を握り、その甲にくちづけした。
そして、彼を起こさないよう、私は声を殺して泣いた。
私じゃ、キミを救えない?
私じゃ、キミの役に立てない?
私じゃ…キミの闇を、はらえない?
私はね、決めたんだよ。
私の一生を、彼へ捧げるって。
私を初めて愛してくれた人を、愛し続けてみせるって。
キミの私への愛が、異常でも良いの。
正常なんて、イラナイの。
キミが傍にいてくれれば、異常も正常へと変わってしまうの。
キミが傍にいれば、私は異常でも良いの。
傍にいてよ。
離れないでよ。
キミが壊れるなら、私も壊れるから。
キミが傷つくなら、私も傷つくから。
キミが狂うなら、私も狂うから。
キミが堕ちるなら、私も堕ちるから。
キミの闇を、
私と半分こしてよ……。