愛ニ狂ッタ人
私はその場で泣きだした。
彼に嫌われると思っていたから。
恐怖心はあったけど、やめられなかった趣味。
罪悪感もあったけど、もう抜け出せなかった、趣味。
それを、否定されなかった。
…幸せすぎた。
「僕らの間に隠し事はなし。
だから僕も、雪愛に大きな秘密、教えてあげるね」
「……何?」
「それはね…」
放課後彼の家に初めて訪問した。
彼の部屋にも入った。
物が少ない殺風景な部屋。
シンプルな部屋に、似合わない…ソレ。
彼は子どものような無邪気な笑顔で、ソレを見せてくれた。
驚いた。
暫く固まってしまっていると、彼は私を後ろから抱きしめてきた。
その声は凄く震えていて。
捨てられそうになっている仔猫を、想像した。
「…嫌いに、ならないで……」
そう言って、彼は私を強く抱きしめた。
…もう、良いと思えた。
私は振り返り、苦しげな彼の表情をしっかり見た。
「私を…キミのモノに、してくれマスカ……?」