愛ニ狂ッタ人







「ユキちゃんのこと、本気で俺好きだったんだ。

だけど、ユキちゃんは俺が何を言っても、気にしないだろ?
王子のことが大好きだって、ようやく気が付いたよ。

…今まで悪かったな、ユキちゃん」





私は、その時満面の笑顔を浮かべたことだろう。






やっと。

やっとだ。

私はコイツの束縛から、放たれる。

逃げることが、出来る。






「それで、だユキちゃん。
最後に俺のお願い…聞いてくれないか?」

「……内容によるわ」

「俺と、デートしてくれないか?」





それが浮気になると、私は確信した。

彼が、浮気を嫌っていることも。

私も、浮気は許せないと感じている。






「申し訳ないけど、お断りするわ。
私には、愛すべき彼氏がいるの。
他の男とデートなんて、浮気以外の何物でもないわ」






彼が嫌い、許せないものを、私も嫌うし許せない。

てか、愛している彼氏がいる女なら、全員思うことだわ。







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