愛ニ狂ッタ人
少なくとも、この学校にはいないと思う。
だっていたのなら、僕と雪愛が入るのを禁止するはず。
いくらこの学校が僕のモノだと言ったって。
僕は未成年の、生徒だ。
僕が自殺でもしたら…どうするのだろうね?
まぁ、自殺なんてする気、サラサラないけど。
雪愛が僕の傍にいる限り。
「…あれ?起きたの?」
「うん。
ごめんね雪愛、起こしちゃったかな?」
「ううん、気にしないで」
僕の傍で寝ていた雪愛が、僕の膝へ頭を乗せる。
まるで甘えた仔猫だな、雪愛は。
僕はそっと、雪愛の漆黒の髪を梳いた。
「…フフ」
「どうしたの雪愛」
「くすぐったくて…あったかくて…気持ち良い……」
その後雪愛はそっと瞼を閉じ、再び夢の世界へ行ってしまった。
僕は雪愛を起こさぬよう、その髪をなでた。