愛ニ狂ッタ人








ガチャッ!







突然、アパートの扉が開く音がした。





もしかして、稲生が帰ってきた!?

私は急いで時刻を見るけど、まだ学校の時間。

じゃあ、誰っ……!?







「大丈夫ですかっ!?」





驚き身構える私に話しかけてきたのは、見知らぬ男2人だった。

稲生の仲間かと思ったが、どうやら違うらしい。

チェーンを切る道具で、私の足枷を外してくれる。

敵じゃない…味方?





「どこか怪我はしていませんか?」

「だ、大丈夫です……」




この辺りは日当たりが悪いらしく、昼間でもアパートの室内は暗い。

だから、男が2人いるってことぐらいしか、わからない。





誰…?

彼じゃ、ないの?








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