愛ニ狂ッタ人
「白川(しらかわ)雪愛さんですね?」
「そうです……」
段々、私に話しかけてくれる男の人が、見えてきた。
何だかイカつい顔つきの男。
目線を下へ下ろしていくと、その人たちが一体誰なのかわかった。
警察、だ。
刑事ドラマで見るような警察じゃない。
お巡りさんのような、制服を着ていた。
「どうしてっ……?」
「お話はあとです。
歩けますか?」
「はい」
「では、外へ出ましょう」
私は脳内をクエスチョンマークで埋めながら、警察に連れられ、アパートを久しぶりに出た。