愛ニ狂ッタ人
私も彼が好きだと気付けば。
彼と同じことをしていた。
盗撮は勿論、彼の家に侵入し、隠しカメラも設置した。
防犯目的として簡単に売られている、盗聴器にカメラの数々。
ますますストーカー行為が増えるってこと、業者はわかっていないのかしら?
彼の家に侵入することは、思ったより簡単。
メイドさんは、ご飯の時にしかいない。
お掃除は、月曜日と金曜日にしか行われないみたいだから。
普通の昼間は、いない。
その隙を狙って、侵入した。
学校を休んでも、両親は何も言わないから、楽だったわ。
きっと彼も、彼なりの方法で、盗聴器とか仕掛けていたんだろうなぁ。
本当私たちって、相思相愛ヨネ?
「あ、そこにいたんだ、雪愛」
ココアのはいったコップを2つ置いたお盆を持った彼が、優しく微笑んだ。
私はお礼を言って、コップを持ち、飲む。
甘いわ、やっぱり。
彼から私へ注がれる愛と同じぐらい、甘いココア。
甘ったるいぐらいの甘さが、良い。
絡み合って、
ドロドロに溶け合うほど、
私たちは一緒になりたいの……。