愛ニ狂ッタ人
第16章 彼女side
18歳になった私は、ある日愛している彼氏に誘われた。
「一緒にならないか」、と。
ずっとずっと、大好きだった。
最初は、憎かった。
だけど、愛していた。
自然と、愛だけが残った。
私は、
彼と共に、
愛に狂った。
彼は私を守るために罪を犯し、
私も彼を守るために罪を犯す。
絶対にバレない、お互いのための犯罪。
私は誰もいない部屋で、ケータイについた翼のストラップを見た。
少し力をいれてみると、ソレは簡単に割れた。
真っ二つに簡単に割れた、ストラップ。
不良品などでは、決してない。
ストラップの中は、空洞のはずだった。
だけど、ソレは違った。
真っ黒な、塊。
私も、コレよりは大きいけど似たようなものを持っているから、正体が何かわかる。
盗聴器、だ。