愛ニ狂ッタ人
…いつからだろう。
私と出会って間もなかった、15歳のキミが、ここまで成長するなんて。
思いもしなかった。
「……雪愛?」
「うっ…
うわああああんっ!」
私は涙を滝のように流しながら、彼の手嬢と足枷を外した。
彼は自由になった手を広げて、私を迎えてくれた。
私は迷わず、
その胸に飛び込んだ。
ココにいると、
彼に抱かれると、安心した。
守られているんだ。
愛されているんだって実感できたから。
「これからは、お互い、人を殺さないで、上手く相手を愛していこう?
きっと、相手のための殺人も、監禁もしないで、僕らは愛していけるよ。
幸せな家庭を築こう。
雪愛が傍にいるなら、僕はどこへだって行けるから。
…愛してるよ、雪愛」
「私も一緒だよ……貴魅」
キミがいるなら、
私は、生きていける。
どこへだって。
棘だらけでも、茨だらけでも。
キミがその手で、私を抱いてくれる限り。
私はどこへでも、生きていける。