愛ニ狂ッタ人
第5章 彼氏side
彼女―――雪愛が、僕の全てだった。
雪愛以外、何もいらなかった。
家も、名前も、財産も。
雪愛さえ僕の傍にいてくれれば。
他に何も望まないし、いらなかった。
欲しいのは、雪愛だけ。
望むのも、雪愛だけ。
だから。
だから、アイツはいらなかった。
以前僕らのクラスで委員長を務めていた、
園田愛恵(そのだ・まなえ)は。
表面上では、真面目な委員長。
校則違反なんて一切起こさない、優等生。
それが裏ではあんなことしていたなんてね。
誰も想像していなかっただろうね。