愛ニ狂ッタ人
園田愛恵は、僕にとってイラナイ存在だった。
壊したい存在だった。
どうすれば良い?
どうすれば園田愛恵を壊せる?
どうすれば、彼女を消せる?
そう思っていた矢先だった。
僕が愛してやまなかった彼女―――当時は彼女じゃなかったけど―――、雪愛が園田愛恵を嫌いはじめたのは。
あろうことか、雪愛は園田愛恵を殺そうとしていた。
「あの人は、園田さんは、生きていちゃいけないわ。
絶対今後、キミに手を出すはずだわ」
園田愛恵を殺すのか問い詰めてみると、雪愛は低い声で呟いた。
俯いているから表情はわからなかったけど、その肩は震えていた。
怯えているのか。
それとも、笑っているのか。
…本当、雪愛は残酷だ。
それが、ますます彼女を美しくするから、僕は雪愛に嵌っていくのだけど。
「雪愛が手をくだすのか」
「そうよ」