愛ニ狂ッタ人
園田愛恵が死亡して、すぐにそのニュースは広まった。
連日テレビや新聞、週刊誌で大きく報じられた。
何せ、私たちの通う学校は、有名な進学校だから。
『有名進学校で、真面目な優等生、事故死』と毎日報じられた。
学校でも、毎日誰かが噂していた。
その事件の真実を知る私たちだけだったと思う。
その死を噂していなかったのは。
そういえば、その期間面倒なことがあった。
毎日のように放課後、学年問わない女子に呼びだされたのだ。
理由は皆同じ。
園田愛恵を殺したのは、私じゃないかと言うのだ。
園田愛恵を殺したのは私じゃない。
真犯人を、私は知っている。
まぁ、言うわけなかったけど。
彼を地獄へ落とすつもりなんて、なかったから。
私じゃない、と言い張った。
だけど女子は信じてはくれなかった。
真犯人は知っているけど、私じゃない。
私じゃない、と言い続けた。