愛ニ狂ッタ人







それでも、私への女子からの呼び出しは止まらなくて。

毎日のように呼び出されて、責められた。

段々呼び出される度に頭と心は慣れてきて、

「またか」

と呆れるようなことも多くなって来た。






学校にいるときは良かった。

ヒーローのように彼が現れて、守ってくれたから。

いつも良いタイミングで現れるので、段々彼は女子からストーカー疑惑が出ていたみたいだけど。

「かっこいい、王子と呼ばれるような人がストーカーなわけない」

と誰しも信じ込んでいたから。






彼が、園田愛恵を事故に見せかけて殺した、真犯人だと知らずに。

本当に、何も知らない、お気楽だと思う。





まぁ、そのまま知らずにいてよ。

知られて彼に何かあって私から離れたら、困るからさ。






彼を、ずっと私の傍に置いておきたいの。

叶わないかもしれないけど、それが私の願いなの。

彼をいつも、どこでも、感じていたいの。





そう。

ズット、一緒ニ―――ネ。







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