愛ニ狂ッタ人
私は一旦リビングに先輩の遺体を放置し、リビングを出た。
向かうのは、先輩の部屋。
女の子らしい、ピンクで彩られた可愛い先輩の部屋。
ここに入るのは、今日で2度目。
部屋の中を歩き回り、机・ベッド・吊り下げられている電灯の影・入り口付近にあるコンセントの中に仕込んだ盗聴器などを、回収する。
先輩への復讐計画を練るに辺り、盗聴器や監視カメラは必要だった。
これを手に入れるのは、とても簡単だった。
ネットショッピングサイトに行き、防犯目的を装って、購入した。
コンセントに仕込むのは、思ったより簡単。
ドライバーを使えば、コンセントと壁を繋ぐネジは、簡単に取れる。
盗聴器を仕込み、再びネジをしめればそれで完了。
その他、机・ベッド・電灯の裏は死角になるから、簡単に置いておけば良い。
お蔭で、先輩のお父さんが出張だということもわかった。
先輩が夜中勉強しながら、彼を憎む言葉を呟いていたことも。
盗聴器やカメラを仕込むのは、少し苦労した。
気づかれないよう、先輩のことを調べ上げ、父子家庭だと知る。
父親は仕事柄出張が多く、家を開けることが多いことも、先輩が友達へ話しているのを盗み聞きする。
そして先輩自身も、父親が出張で家を開ける日を狙って、友人の家へ泊まりに行くことも、同時に話していた。
それからも先輩と友人が話している会話を聞き、先輩が友人の家へ泊まりに行く約束をしていることを聞けば、その日は家に誰もいない。
家は大きいけど、防犯対策は特にされていないみたいだから、針金などを使えば簡単に家の中に侵入出来た。
本当、先輩もお父さんも、
扱いやすい人で良かった。