愛ニ狂ッタ人
盗聴器や監視カメラを仕掛けているのは、先輩の部屋とリビングのみ。
だから私は再び、リビングへ戻った。
改めて死体と対面し、再び脈を調べ、死んだことを確認。
死んだふりとかされていても迷惑なだけなので、バレない程度に思い切り殴ったり蹴ったりもしてみる。
だけど先輩はビクともしないので、死んでいるんだと確信。
今度はリビング内に仕掛けた、盗聴器やカメラを回収した。
これも、コンセントの裏や死角になる所に設置した。
バレないか正直心配だったけど、他の所へ移されたことはなく、設置した場所と同じ場所にあった。
そして、盗聴器やカメラ以外の物も回収する。
先輩が紅茶を淹れている時に、設置したものだ。
設置したもの―――刃物類を、怪我しないよう気を付けながら、鞄へ仕舞う。
もし自分が死にそうになり、追いかけっこになった時用に、用意しておいたもの。
リビングに無駄に飾られている小物類に紛れ込ませることが出来るような、小さなもの。
百均で買えるようなチャチなものだけど、立派に人を殺せる。
念のため、用意しておいたけど、必要なかったみたいね。
あと、もし首を絞められそうになった時のために。
ポケットの中に、スタンガンも潜ませておいた。
これも、ネットショッピングサイトで、盗聴器やカメラ同様、防犯用に購入したもの。
お金は結構したけど、両親の隠しているヘソクリなどを使えば、楽に買えた。
忘れ物がないか、再度確認。
掃除機を持ってきて、絨毯に絡まった髪の毛も、全て吸い取った。
それから手袋で彼女の髪を数本抜き、絨毯にバラ撒いた。
これで、置かれているのは、彼女の髪の毛のみとなり、私の落ちた髪の毛はなくなる。
警察がもしDNA鑑定しても、大丈夫ね。
念のため、もう1度先輩の脈確認と、殴っての死亡確認をする。
よし、死んでいるわ。
復讐計画、成功ネ。
私は死体を見降ろして微笑み、家を出た。