さぁ、オレと恋をしてみようか
お母さんの声で、なんとか通常のお父さんには戻ったけど、まだどこか落ち着かない様子だった。


そんなお父さんにお母さんが、ギュ、と抱きついて再度聞いてくる。


「で?どこ行ったの?」


お父さんは逃げられない。お父さんとしては、かわいそうと思ったけど、2人がラブラブなことに、ちょっとうらやましく思った。


いつもは思わなかったのに、わたしも千織さんとこうやって、ギュ、として時間を過ごしたいな。なんて、思ってしまった。


「……水族館」


キラキラした笑顔で待つお母さんに、ポツリ呟くように言うと、またお母さんの顔が明るくなった。


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