さぁ、オレと恋をしてみようか
「ありがとう、芽衣子。今度会った時、ちゃんと話してみるよ」
「大丈夫、ですか…?」
「んー、わかんねぇ」


溝が出来ちゃってるから、そうカンタンには埋まらない気がする。


でも芽衣子が言うなら、できる気がする。


その時、オレの手を、キュ、と芽衣子が掴んだ。


「大丈夫です。わたしがいますから。だから、不安にならないでください…」
「芽衣子…」


オレのことをジッと見つめる芽衣子に引き寄せられるように、オレも彼女をジッと見ていた。


「ゴホンっ…!!」


すると、突然お父さんが咳払いをした。


あぶねっ、芽衣子に見とれてたよ…。


「すみません、話が逸れましたが…。付き合うからには、真剣にお付き合いします。なので、」
「ダメだ」
「お父さんっ!!なんで、そんなにダメダメって言うのっ」
「賢太くん、サイテーね」
「う、うるさいっ!!芽衣子は大事な娘なんだ!!」
「じゃあ、ずっと家にいてもらうつもり?」
「そ、そうだ!!」
「はぁ…。話になんないわね。千織くん、この人のことは気にしないで?わたしが認めるから」


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