さぁ、オレと恋をしてみようか
ど、ど、どうしよう!!ねぇ、どうしたらいいのっ!?


『緊急、事態…?』
「そっ。姫の涙は王子が、なんとかしてやんねぇと」
『は?姫…?おまっ、芽衣子になにした!!』
「はぁ?オレじゃねぇし。寧ろ、オレが助けたの。でも姫の涙までは、王子じゃないオレには無理だから。だから、店切り上げてこい」
『……芽衣子には、手出すなよ』
「出すわけないだろうが。切るぞ」


そう言うと、真守さんはホントに通話を切った。


「王子が来るまでの間、我慢してな?」
「真守さん…。千織さん、生活できなくなっちゃいますよ…」


店切り上げて戻ってこい、だなんて…。


「大丈夫だよ。オトコは好きな子のためなら、なんだってするんだから」


そう真守さんは言うけど、やっぱり千織さんには悪いと思ってしまう。


千織さんとの電話が終わって、どれくらい経っただろう。


「ちょっと、1人で待てる?」


真守さんに聞かれ、不安にはなったけど、小さく頷いた。


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