さぁ、オレと恋をしてみようか
「待ってて、あのお客さん帰しちゃうから」
「えっ」


驚いて顔を上げると千織さんは、ふ、と笑った。


「待てる?」


彼がそんなことを聞くから、わたしはただ頷くことしかできなかった。


すると千織さんの大きな手が、わたしの頭の上にポンと…。


そして口角をクッと上げると、そのままさっきの女性の元へ行ってしまった。


「ごめんね、待たせちゃって」
「あ、ううん。大丈夫。でも、あの子は?」


店の中が静かだから、2人の会話がよく聞こえる。


2人の間に敬語はなくて、親しい仲なんだと思い知らされる。


でも、それよりも千織さんが、わたしのことを、なんて答えるのかが気になった。


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