黒と白の王子
まず一人ずつ対処しよう。

まずは比較的楽な琥珀から。

「琥珀ー。起きて。ご飯できたよー。」

「ん〜」

「起きて〜」

「ん〜。ねむ〜い」

がばっ。
琥珀が突然抱きついてきた。
少し茶色い髪が布団から顔を出す。

「起きないと学校遅れるよ〜。」

私は少し驚いたものの、琥珀の頭を撫でながら優しく囁く。
琥珀が抱きついてくるのは、よくあることなのだ。
いつもはおとなしいから、この時だけで、不思議な感じがする。

「〜じゃあ、食べさせてー。」

「もー、仕方ないな〜。分かったよ。
食べさせてあげるから、起きて。」

甘えてくる琥珀を可愛く思いながら、頭を撫でる。

「やったー!」

琥珀が私のお腹から顔を話し、見上げてくる。ニコニコ笑顔の琥珀。
なんてかわいいんだろう。

「じゃあ琥珀、顔洗ってきてー。」

「うん!!」

顔を洗って戻ってきたら、
もう元に戻ってるんだろうな。
琥珀のねむ助キャラは顔を洗うと覚めるのだ。

だから本当に期間限定だ。
いつもはもうちょっとおとなしいのだから。

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