私の好きな人は親友の好きな人
「俺、小澤裕也って言うんだ。お前の名前は?」
男子とあまり話したことのない私は、お前なんていう男子の口調に少しときめいてしまう。
「う…上野紫穂」
「紫穂ってなんか可愛い名前だな」
名前を褒められただけで恥ずかしくなって、顔が赤くなるのがわかった。
男子ってこういうことサラッと言っちゃうもんなの…?!
「そ、そうかな…」
「俺のこと裕也って呼んで、俺もお前のこと呼び捨てにするし」
小澤く…裕也にそう言われてコクっと頷いた。
男子の友達ができることなんて、
これもまた初めてのこと。
中学と変わらないんだろうなと思っていた高校生活は、すごく楽しくなりそうですごくワクワクしたんだ。