私の好きな人は親友の好きな人




2人で教室に入ると、紫穂が自分の席で本を読んでいた。



窓側の席で1人ぽつんと座って本を読んでいる紫穂。




なんだか昔のあたしを見ているようで、胸がきゅうっと締め付けられた。



「紫穂、おはよ!」


「おはよーさん」



あたしと裕也が自分の席にカバンを置きながらそう言うと、


紫穂の顔がぱあっと明るくなり、可愛い声で、


「美来、裕也、おはよう!」


と、そう言った。



…可愛い。

さっきまで少し寂しそうな顔してたのに

あたしと裕也がきたら、急に顔が明るくなるんだもん。



「なんの本読んでたの?」



あたしがそう聞くともってた本のブックカバーを外す紫穂。



花柄の色鮮やかなブックカバーだった。


紫穂らしい、黄色やオレンジ色が中心のブックカバー。



なんか、本にブックカバーつけてるところとかすごい女の子。



これが女子力の差か…






< 20 / 21 >

この作品をシェア

pagetop