私の好きな人は親友の好きな人
「私の好きなシリーズの本なんだ。
ミステリーでね、今度ドラマ化が決まったの!」
嬉しそうにそういう紫穂。
弾んだ声で、そう言うからよっぽど嬉しんだろうなあ。
「へぇ〜。そうなんだ!
またあたしにもかして!」
「…う、うん!もってくるね」
紫穂は一瞬ビックリした表情をした。
でもすぐにさっきのニコニコした表情に変わる。
あれ、あたしにかすの嫌だった…?
ちょっと不安になりながらも、
いつものように紫穂と他愛のない話をして、笑っていた。
紫穂もなにもなかったように普通だし、
考えすぎだったのかも。
あたしってすぐ不安になっちゃうんだよね。
ダメだなぁ、こういうところ。
アイツのことも、
いつも不安になっちゃうから…