私の好きな人は親友の好きな人
「美波、起きて〜」
美波の部屋に入り、美波の体を揺らしながらそう声をかけても絶対起きない。
でも必ず、2回目、声をかけると起きるんだ。
それは実は、私が美波のお尻を平手打ちで叩くからだ。
今日も美波の布団をめくりあげて、
手を振り上げる。
「美波、起きなさーい!」
私の大きな声と同時に、パンッという叩かれた音が部屋中に鳴り響いた。
モゾモゾと動く美波。
うっすら目を開けて、
「痛い」
とだけ言った。
「起きないと遅刻するよ」
私がそう言うと、美波は軽く返事をして、体を起き上がらせた。