私の好きな人は親友の好きな人
「あれ、お姉ちゃん髪の毛短いね…」
ショボショボした目をこすりながら言う美波。
「もう、美波!寝ぼけてるの?
この前、私が髪の毛切りに行ったの知ってるでしょ?」
「あ〜…そっか〜…」
てへへと爆発した頭をかきながらそう言った美波は、
まだ目がとろんとしていて寝ぼけているようだった。
私も遅刻しそうだったから、
寝ぼけている美波を放って、学校に行く準備をし始めた。
スクールバックの中に筆箱やいろいろな書類、ポーチなどを入れる。
あと他に何かいるっけ…
「紫穂ー!お弁当忘れてるわよー!」
キッチンからお母さんの大きな声が聞こえてきて、ふふっと笑ってしまった。
「お母さん、入学式なんだからお弁当なんていらないよー」
お母さんってちょっとおっちょこちょい。
でもなんか、そんなところが可愛いんだよね。