全てを包んで
美咲ちゃんに様子を見に行くって言った私が行かないとか、良かったのかなぁ。

でも、私が行くよりも片瀬さんが行った方が美咲ちゃんは嬉しいか。

そう思ったので、あえて片瀬さんを止めることはしなかった。

美咲ちゃん、ビックリするだろうなぁ。

どんな反応をするか考えると、自然に頬が緩んでしまう。

そんな若干ニヤけ顏の私に、遠くの社長が声をかけてきた。

「今泉くーん!」

私は慌てて社長の側に向かう。

「はい!なんでしょうか?」

すると社長は、

「実は日本酒が飲みたくなってしまってね。悪いんだか買ってきてくれないか?」

そう言って自分のお財布から諭吉を1枚出し、渡してきた。

「ついでに何か足りなくなったものや、皆の好きなお酒かなんかを買って来てくれ。幹事2人で行けばそんなに大変でもないだろう。」

そういう社長の頬は既に赤く、それはそれはご機嫌なご様子だ。

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