全てを包んで
私は社長から諭吉を受け取った。

「わかりました。」

そう答え、周りの人達に何か欲しいものがあるか聞いて回る。

社長のポケットマネーだからだろうか、ワインだとか、焼酎だとか、この場にないお酒を結構頼まれた。

課長のところにも何かものがあるかを聞きに行くと、

「片瀬はどうしたんだ?」

片瀬さんがいないことに気付いたのか、そう聞かれた。

「片瀬さんは、まだ残業している美咲ちゃんの様子を見に行ってくれてます。」

そう答えると、

「じゃあ、追加の買い出しは今泉さん1人で?」

「あっ、はい。今頼まれているくらいの量ならなんとか1人でも運べるので、わざわざ片瀬さんを呼ばなくても大丈夫そうですし。」

さっきの買い出しよりも量はだいぶ少ない。

改めて課長に何かいるかを尋ねようとしたその時、

「俺も買い出し付き合うよ。」

そう言って課長は立ち上がった。
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