全てを包んで
こう言われるのは毎回宴会では女子社員の中で1番飲んでいるからだろう。

ザルとまではとてもいかないけど、私はお酒に強い部類に入るはずだ。

「幹事の定めですからね。」

そう言って私も苦笑した。

「じゃあ、花見の後飲み直しに行こうか。」

課長はお酒をカートに入れながら、突然そんな事を言い出した。

「えっ…?」

驚いて課長の顔を見る。

「明日は会社も休みだし、少しくらい遅くまで飲んでも大丈夫だろ?花見の後に何か予定でもあった?」

こちらに向き直りながらそう聞かれた。

こちらを向いた課長と目が合い、思わずドキッとする。

「いえ、…特に予定はありませんけど。」

そう答えると課長は笑って、

「じゃあ、決まりだな。」

そう言い、再びお酒を選び始めた。

お酒を選んでいる課長を見ながら、私の頭の中は軽いパニックに陥っていた。

軽くではない、結構なパニックかも。









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