全てを包んで
そんな会話をしていると、片瀬さんは他の先輩に呼ばれそちらへ移動した。

「陽菜先輩！」

「美咲ちゃん、お疲れ様。」

「片瀬さんが来るなら言っておいて下さいよ！陽菜先輩が来てくれると思ってたから、ビックリしたじゃないですか！」

と、小さな声で言う。

「でも、私が行くより嬉しかったでしょ〜？」

と、ニヤけながら美咲ちゃんが好きなカクテル風味の缶酎ハイを渡す。

「なっ、何言ってるんですかっ！」

美咲ちゃんは顔を赤くしながら私から缶酎ハイを受け取った。

真っ赤な顔すら可愛い。
私が男だったら絶対に惚れてるな。

「でも、片瀬さんが来てくれて本当に助かりました。途中で入力を代わってくれたんですよ。私なんかよりずっと早くて、そのお陰で間に合いました。」

…あの鬼入力してた美咲ちゃんより早く？

片瀬さん恐るべし。

私が行くより、片瀬さんが行ってくれて本当に良かった。
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