全てを包んで
私が何も言えずにいると、

「陽菜先輩?」

と、美咲ちゃんは不思議そうにこちらを見ている。

この後課長と飲み直すって、もしかしたらこの二次会の事だったりしたのかな?
ちゃんと確認しておくんだった…。

どう答えて良いかわからずに固まっていると、

「今泉さん、今日はこの後デートって言ってなかった?」

…………へっ⁉

驚いて振り返るとそこには課長が立っていた。

「えぇ〜っ⁈陽菜先輩、彼氏いたんですかぁ⁈初耳〜!」

いや、私も初耳です。

「いや、えっと、あの…。」

訳がわからずにしどろもどろになってしまう。

「まだ、彼氏じゃないみたいだけどね。」

と、またまた課長が答える。

「上条課長、陽菜先輩の恋愛事情にずいぶん詳しいんですね〜。」

美咲ちゃんが驚いたように言う。

「今日の買い出しに一緒に行ってね。その時に聞いたんだよ。ね、今泉さん?」

笑顔でこちらを向く課長。


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