全てを包んで
「あっ、いえ、ただ課長がこういう雰囲気のお店に行かれてるイメージがあまり無かったので、ちょっと意外で。」

素直な感想を伝えた。

「確かに、会社の連中と飲みに行く時は使ったことがないからね。」

「じゃあ、いつもは一人で来てるんですか?」

そう尋ねると、

「ああ。周りを気にせずに1人で飲むのには良いんだ。それに、ここはお酒の品揃えが豊富なんだよ。」

そう言ってカウンターに置いてあったメニューを渡してくれた。

メニューを見ると、これまた手書きではあるが、かなりの種類のお酒が書かれていた。

「本当にすごい量ですね。」

感心していると、

「今泉さんは結構いける口だから、こういうお酒の種類が豊富なところが良いかと思って。」

課長はそう言って微笑んだ。

確かにお酒好きの私にはこんなに種類が豊富なのは嬉しい。

こういうお店は女1人では入りにくいから新鮮だ。

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