全てを包んで
相変わらずパソコンの画面から目を離すことなく私に指示を出した。

「了解しましたぁー。」

悔しいけど、私が全力で走ったところで片瀬さんには全くついていけないだろう。

そう思って軽くため息をついていると、

「陽菜先輩。」

と後ろの席から声をかけられた。

振り返った先にいるのは、去年入社した私の初めての後輩、結城 美咲(21)ちゃんだ。

私とは対象的で、スリムで、美人、そして仕事の覚えも良いなんていう、それは素晴らしい後輩なのだ。

「どしたの?美咲ちゃん。」

「私、来年は幹事が回ってくるので、今日の買い出し一緒に見に行っても良いですか?」

確かに来年は美咲ちゃんが幹事だけど、

「良いけど、お酒とかつまみ、頼んでおいたオードブルを取りに行くくらいだよ?わざわざ見るほどのものじゃ…」

私がそう言うと、

「でも、何でも事前に見ておいて損はないじゃないですか!」







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