全てを包んで
新しい焼酎を貰って飲んでいると、次々と料理が出て来た。

菜の花と筍の酢味噌和え、明太子とニラの出し巻き卵、湯葉入りの生春巻き、どれも絶品だった。

美味しいものを食べるとお酒も進むもので、既に10杯近く飲んでいる。

そろそろ、種類を変えようと思いメニューを開いた。

「本当にお酒が好きだな。次は何にする?」

「えっと、次はワインあたりを飲もうかなぁって思ってます。」

「それならボトル入れようか。」

課長も結構な量を飲んでいるけど、顔色一つ変わっていない。

そう言って課長は赤ワインのボトルを頼んでくれた。

これもまた美味しい。

ワインの好みは人それぞれだけど、私は少し渋い重めのものが好きだ。

課長が頼んでくれたのはまさにドンピシャだった。

センスが素晴らしい。

お肉料理なんかあったら最高だなぁ、なんて考えながらもワインを堪能していると、課長が雅人さんに声をかけた。
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