全てを包んで
「雅人、何か肉料理ってある?」

課長が尋ねると、

「そう言うと思って今用意してる。」

そう言ってローストビーフを出してくれた。

雅人さん、あなたも出来る男です。

見かけによらないとか言ってすみませんでした。

美味しい料理にまたまたお酒が進む。

気付けばワインのボトルもすっかり空になってしまった。

流石にお腹もいっぱいになってきたので、その後はお酒のみで3人で談笑することにした。

課長と雅人さんは高校で出会ってから大学卒業まで同じ学校で、最初はお互いにあまり良い印象ではなかったらしい。

でも、共通の友人と一緒にいるうちに仲良くなったとか。

学生時代の課長は今よりも性格がキツかったと聞いて驚いた。

今はこんなに穏やかな人なのに。

「今泉さんは、どんな学生時代を過ごしてたの?」

「私ですか?」

そう聞かれて数年前の学生時代を思い出す。



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